皆様、こんにちは。
皆さんはマレーシアの人達がほんの昔、どのような暮らしを送っていたか知っていますか?この10年ほどの間に異国から移住をしてきて特にKL(クアラ ルンプール)のような都会に暮らしていると、それを知る機会はあまり多くはないかもしれません。
そんなマレーシアの少し昔の素朴な暮らしを知ることができる本を、ご紹介します。
- 【マレーシアで一番有名な漫画家ラットさんが描く旧き良きマレーシア】
- 【マレーシアのロングセラー漫画『カンポン ボーイ』】
- 【カンポン ボーイの成長を楽しむ!『カンポン ボーイ』の続編『タウン ボーイ』】
- 【最後に】
【マレーシアで一番有名な漫画家ラットさんが描く旧き良きマレーシア】
私は昔から、マレーシアで有名な漫画家ラットさんが描く『Kampong Boy』(カンポンボーイ)という本が大好きで、マレーシアを旅した際に原語の本を何冊か買っていました。
『THE KAMPUNG BOY』/Lat(Datuk Mohammad Nor Khalid)/Berita Publishing Sdn Bhd
『Kampung Boy Yesterday & Today』/Lat(Datuk Mohammad Nor Khalid)/Berita Publishing Sdn Bhd
ラットさんについて知りたい方はこちらを参照ください。
Perak州(ペラ州)のカンポン(田舎・村)に生まれた主人公が生まれてからカンポンを離れるまでの少年時代を描いているのですが、マレーシアの文化や風習がとても可愛く描かれていて、読んでいてとても楽しい内容です。
【マレーシアのロングセラー漫画『カンポン ボーイ』】
時代設定は1960年代あたりなのですが、今読んでもとても面白い内容で、マレーシアではロングセラー大ヒットを記録している作品です。その『Kampung Boy』、2014年には東京外国語大学出版会から日本語訳版が出版されました。
『カンポンボーイ』/ラット/左右田直規、稗田奈津江訳/東京外語大学出版会
【カンポン ボーイの成長を楽しむ!『カンポン ボーイ』の続編『タウン ボーイ』】
そして2015年には、その『Kampung Boy』の少年のその後を描いた続編とも言える『Town Boy』の日本語版が、同じく東京外国語大学出版会から発売されました。
『タウンボーイ』/ラット/左右田直規訳/東京外語大学出版会
この『タウンボーイ』が発売された際、私はたまたま日本で開催されたブックフェアを訪れていました。その際にこの本のプロモーションのために会場に来ていたマレー系マレーシア人の方から、とても丁寧にこの続編についての紹介をしていただきました。その方が、内容の説明をしながら、「僕はこの『Town Boy』が好きです。初恋とかあって、ちょっとキュンとします!」とニコニコしながら紹介してくれたことがとても印象に残っています。
カンポンののんびりした風景から都会のIpoh(イポー)に舞台を移し、親友ができたりちょっと悪さをしてみたりと、誰もが思い出にあるような青春時代とも言える経験をしていく様が描かれています。マレーシアが好きな私はそこに描かれるマレーシアならではの風景や生活にもとても心が動かされるのですが、それと同時に自分の10代の頃の思い出も重なり、確かにキュンとくる内容でした。好きな女の子と初めて、マレーシアの庶民的な喫茶店とも言えるKopitiam(コピティアム)に入り一緒にRoti Canai(ロティ チャナイ)を食べるシーンとか本当に可愛いなあと思い、ニヤニヤしながら読んでしまいました。
【最後に】
マレーシア人、そして多くの外国人にも愛され続けているラットさんの『Kampung Boy』シリーズ。マレーシアのとても良い風景を描いていて、読んでいるとどこか心が温かくなり、ますますマレーシアのことを好きになれる作品です。
ぜひ一度、読んでみてください。