Saya Cinta Malaysia

マレーシアの文化や今昔のマレーシア旅。マレー系夫との国際結婚あれこれ。

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ヤスミン監督映画『Muallaf』(ムアラフ 改心)に登場するイポーのモスク「Masjid Sultan Idris Shah II」

皆様、こんにちは。

 

先日Perak州(ペラ州)のIpoh(イポー)を旅した際、思い入れのあるモスクを再訪することができました。

 

 

【ヤスミン監督映画『Muallaf』(ムアラフ 改心)に登場するペラ州立モスク】

 

2016年9月に私の父達との旅でイポーを訪れた際、宿泊したホテルの目の前にペラ州立モスク「Masjid Sultan Idris Shah Ⅱ(Masjid Negeri Perak)」がありました。

 

鉄道のイポー駅からも見える位置にある、便利な場所にあるモスク。州立モスクだけあり、規模も大きく存在感のあるモスクです。

 

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とても大きく立派な建物のこのモスク、今は亡きマレーシアの映画監督Yasmin Ahmad(ヤスミン アフマド)が制作した映画『Muallaf』(ムアラフ 改心)の中で登場するモスクなのです。

 

出典『Muallaf』

 

【ヤスミン監督作品『Muallaf』を通して出会った、私とこのモスク】

 

私がこの映画を初めて観たのは2009年。当時の私はマレーシアは大好きでしたがイスラムについてはそこまで興味がなかったため、観ても正直あまりピンと来ない映画でしたが、マレーシアには様々な宗教の人が暮らしていて、日々の生活の中で彼らが自身の信仰を通して人生の岐路を決断をしたりしていくのだということは理解できていたように記憶しています。

 

あれから七年が経過し、その間数回はDVDでこの映画を観てはいます。まさか今の自分がイスラムに改宗をしてイポーを訪れ、この作品の舞台となっているモスクを見ることになるとは当時の私は思いもよらず。人生って本当に何があるか分からないなと思いながらモスクを眺めました。

 

【私自身がイスラムへの信仰を意識した時に感じた気持ちが表現されている】

 

劇中、イスラム教徒である姉妹と交流があるクリスチャンの青年が、様々な気持ちが交錯する中で純粋に彼女たちの信仰心に心を奪われ、自分もその中に入っていきたい、混ざりたいというような場面があります。その象徴のように、モスクで姉妹が礼拝をする様子を青年がモスクの外からそーっとのぞき見し、でも中に入ることはできないという葛藤のような心境を表現しているシーンがあります。(本来、異教徒は礼拝時間のモスク内には入れません。)

 

出典『Muallaf』


出典『Muallaf』

 

私はいつからかそのシーンがとても心に残るようになっていました。イスラムに強く興味を持ち始めてから、マレーシアと接する時に何か最後のところで越えられない気持ちがあるというか、そういう感情をうまく処理できずに抱えていました。自分でもそれが何なのかは分からなかったのですが、この映画のこのシーンを観ると必ず、なんとなく自分の抱いているその気持ちと重なる部分があり、観入っていたのです。

 

誰かと心を通わせる時に、どうしても越えられない何かを感じたりすることは誰しもあることではないかと思います。それは国や習慣による事象だったりすることもありますが、信仰というものはその確固たるものの一つなのではないかと私は思っています。

 

この映画に登場する青年は長くキリスト教という信仰を持って生きてきています。この姉妹達と同じく、信仰を持つことで強くいられる反面、どうしても信仰のところで越えられない何かがあると感じたのかなと。それを越えたいと思った時や実際越える時には、普通では考えられない気持ちや決断が必要になる時があること、それも信仰なのではないかとこの作品を観ていて思ったのです。何度もこの映画のこのシーンを観続けてそこに行きつき、私自身がイスラムへの改宗を意識し始めた頃はとても入り込みながら観ていたシーンでした。

 

【モスクビューの部屋に泊まりながら実感した自分自身の変化】

 

このイポーでの滞在は、日本で色々考えながら観ていた作品のあのモスクが目の前に建っていてなんとも感無量な夜でした。

 

そんな思い入れのあるモスクが目の前。しかも!私の部屋は一番このモスクに近い角部屋でした。モスクビューです!お祈りの時間になると、超爆音(笑)でアザーンが聴こえてきます!

 

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朝もアザーンに夜明け前に起こされましたが、改宗前の私は流れてくる音声のほとんどは何を言っているか分からず音楽を聴いているような感じでしたが、改宗後の今はたまにクルアーンを音声で聴いているので、何を言っているのかが何となく分かる部分もあることに感動しました!もちろん全部は分からないのですが。

 

残念ながら睡魔に負け、しかも「思い入れがある」とか言っているモスクが目の前にあるにも関わらず、そのまま二度寝に突入して礼拝には行きませんでしたけど…。

 

【最後に】

 

ちなみにこの時一緒のホテルに泊まっていた父と父友さん。朝集合した際に「モスクからの音うるさくて寝られなかったのでは?」と聞いたら、二人とも「え?なんか聞こえてきてた?」という反応でした。お疲れだったようで熟睡できて良かったです。

 

イポーはKL(クアラ ルンプール)からも近距離で旅行がしやすく、特にこのモスクは電車でイポー駅に降り立つとすぐ目の前にありますので訪れやすいと思います。もしご旅行で訪れる際はちらりとでも覗いてみてください。

 

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