Saya Cinta Malaysia

マレーシアの文化や今昔のマレーシア旅。マレー系夫との国際結婚あれこれ。

MENU

衝撃カラーのマレーシアヘルシーご飯Nasi Kerabu(ナシ クラブ)

皆様、こんにちは。

 

今日は、世にも珍しいマレーシアの青いご飯のご紹介です。

 

その名もNasi Kerabu(ナシ クラブ)。マレー語でナシはご飯、クラブはサラダ、直訳するとサラダご飯と言った感じのご飯です。

 

 

マレーシアのマレー半島東海岸、Kelantan州(クランタン州)やTerengganu州(トレンガヌ州)の郷土料理で、マレーシア料理としては珍しくほとんど油を使用しないヘルシーなご飯のため、朝ご飯で食べられることが多く健康志向な女性にも好まれています。

 

では、そんな日本ではあまり馴染みのない青いご飯の正体を紐解いてみましょう。

 

 

【衝撃カラーの青いご飯!】

 

ナシ クラブの注目すべき点。それはなんと言っても、このご飯の色です!

 

 

多くの日本人にとって青色は食欲減退カラーという認識ですが、ここマレーシアではそんな青色も美味しいご飯に化けてしまう不思議!

 

【青色の正体は鮮やかカラーの花びら色素】

 

まずは、これがそのナシ クラブ。とても綺麗な青色ご飯の上に、ほんのり香るハーブを含む野菜やおかず、そしてアクセントとなるピリ辛ソースがかかっています。

 

 

ではこの青いご飯、一体何で色付けされているの?と不思議に思う方も多いでしょう。「何か化学的なものが使われているのでは…」と心配される方もいると思いますが、ご安心ください。これは天然の植物Butterfly Pea(バタフライ ピー)、マレー語ではBunga Telang(ブンガ トゥラン)と呼ばれるお花の色素です。

 

 

この朝顔に似たお花の花びらから煮出した青い汁をご飯を炊く際に一緒に入れると、鮮やかな青いご飯が炊き上がります。

 

 

お家で簡単に作る際は、特に事前に煮出したりもせずお花をひとつ、ポンッと釜に入れて炊いてしまうそうですが、それでもほんのりと綺麗な青色ご飯に炊き上がります。

 

ただし、最近は天然のお花を使わずに食用の青色色素だけで炊き上げるお店も見かけます。慣れないと見分けることは難しいかもしれませんが、青色が濃すぎる場合はその可能性が高いです。とは言え、食用ですので食べて身体に害があるわけではありません。

 

【青色ご飯の味は、ほんのり漂うハーブの香り】

 

青いご飯の味はというと。

 


特に何か味があるわけではなく普通のご飯の味ですが、通常はこぶみかんの葉を少量入れて炊くそうで、ほんのりとハーブの香りつきで炊き上がります。ただ、本当にほんのりですので感じない場合も多く、苦手に感じる方はほとんどいないのではないかと。

 

【野菜や惣菜を乗せていただくワンプレートご飯】

 

肝心の食べ方ですが、この青いご飯の上に刻んだ野菜を乗せます。マストアイテムのDaun Kesum(ダウン クスン)、英語名はLaksa Leafラクサ リーフ)を筆頭に、数種類のハーブやキャベツ、もやしなどの生野菜(お店によって異なります)などとなります。

 

 

野菜にハーブが含まれているため、少しスーッとした爽やかな味わいです。

 

 

あとはお腹の空き具合と相談の上、お好みで好きな惣菜を乗せてもOK。例えば揚げ魚や魚のすり身を丸めて揚げたものなど、店頭に並ぶ惣菜からチョイスします。汁気を足したければ、カレーを少量足してもOK。特にルールはありません。

 

 

もちろん揚げ物はいらないよ、野菜だけで問題なし!という方はそのままで。

 

 

そして仕上げにココナッツフレークをこんもりとかけ、そこに塩卵と(ゆで卵ではありません)、最後に味のアクセントとなる魚醤のBudu(ブドゥ)ソースをベースにしたナシ クラブ用のソースをかけて完成です。

 

 

【味のアクセントに欠かせない魚醤Budu(ブドゥ)ソース】

 

ブドゥソースは、やはり主にマレー半島東海岸で愛されているサンバルソースと並ぶ調味料なのですが、辛さは控えめでどちらかというと魚の発酵味が強いソースです。

 

 

そのブドゥソースにレモングラスやニンニクを足して煮詰めたものがナシ クラブ用のソースになります。

 

【とにかく混ぜ混ぜ。交わる味のハーモニーを楽しむ!】

 

あとはご飯とトッピングをわしわしと混ぜながらいただきます。

 

 

塩卵はとても塩気が強いため、殻から中身をくり抜いてご飯にほぐしながら少しずつ塩気を足す要領でいただきましょう。

 

ご飯、野菜それぞれにはっきりとした味付けがされていないことから単体で食べるとすぐに飽きてしまいがちなあっさり味ですが、お皿に盛られている全てのものをしっかり混ぜながらいただくと、ハーブや塩気、そしてブドゥソースのほんのりとした辛さが混ざり合ってとても美味しいひと皿になります。

 

【KLで食べるならカンポンバルがオススメ】

 

日本人なら誰しも最初は二度見するであろう、この青いご飯ナシ クラブ。その衝撃的な見た目に反した優しい味わいにハマってしまう日本人は多いです。油が含まれないため、食べ終わった後の罪悪感も少ないのも(笑)魅力です。 

 

東海岸の郷土料理ということもあり、KLなどでは食べられるお店はそう多くはありませんが、KL中心であればKampung Baru(カンポン バル)にあるこちらのお店「Kak Som」がオススメ。

 

 

クランタン州やトレンガヌ州出身のマレー系の方も好んで訪れるお店で、本物のナシ クラブがいただけます。機会があればぜひ訪れてみてください。

 

 

【最後に】

 

所変われば食べ物の常識や価値観はがらりと変わるもの。それを如実に表しているとも言える、このマレーシアの青いご飯ナシ クラブ。

 

最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、食べてみると本当に美味しい!とハマる方も多いマレーシア料理ですので、ぜひ皆さん一度トライしてみてください。