
皆様、こんにちは。
KL(クアラ ルンプール)で2025年10月10日より10日間、ASEAN各国とマレーシアの伝統工芸の紹介、そしてマレーシアのハンドメイド作品が大集合し購入もできるイベント「ASEAN Arts & Crafts Bazaar 2025(AACB)」が開催されました。


その名のとおり、マレーシアをはじめASEAN各国の伝統工芸やハンドメイド作品をテーマとした大型クラフトイベント。マレーシアで工芸品を楽しむイベントとしては、2024年まで毎年開催されていた「Hari Kraf Kebangsaan(HKK)」を知る人も多いでしょうが、その雰囲気をほぼそのまま受け継いだ雰囲気で開催。そして、職人の技や工芸品を間近で見て学んだり、実際に購入もできる貴重な機会となりました。
今回はイベントの概要、そして実際に会場を訪れて見つけた個人的におすすめの商品や体験コーナーなど各ブースの様子をレポートします。
2024年まで開催されていたHKK2024の訪問レポートはこちらの記事をご覧ください。
- 【「ASEAN Arts & Crafts Bazaar 2025(AACB)」開催概要】
- 【会場の様子】
- 【A:マレーシアのクラフトブース/伝統工芸デモンストレーション/各州ブース/ライブステージ】
- 【B:マレーシアテキスタイル エキシビションコーナー/ASEAN各国ブース】
- 【E:マレーシアテキスタイルエリア】
- 【C&D&F:フードゾーンと常設フードコート】
- 【バティックのワークショップ】
- 【バティック商品のお洗濯は慎重に!】
- 【最後に】
【「ASEAN Arts & Crafts Bazaar 2025(AACB)」開催概要】

・会場:Kompleks Kraf Jalan Conlay
・アクセス:MRT/Conlay駅から徒歩3分、MRT・モノレール/Bukit Bintang駅から徒歩15分、モノレール/Raja Chulan駅から徒歩13分
・駐車場:一番近い&公式でも案内している駐車場は会場裏手にあるPrince Court Medical Centre。敷地がつながっているため好アクセス。
・会場での支払い方法:QR PAY対応店多数。トランスファー対応のみのお店もあるので注意。カード決済(Wave)も一部店舗で対応可能。QR対応でもエラーなどで使えない、という場合もありますので現金も多少持参が万全です。
電車でアクセスの方はMRT Putrajaya Lline(プトラジャヤライン)のConlay駅、Pintu B(出口B)から出ると目の前が会場です。とても便利!

【会場の様子】
入場無料で入退場は自由。敷地内は、主に四つのブースに分かれています。

マレーシア各地のカゴバッグやビーズアクセサリなど小物、金属加工の工芸品、家具ブースなど/マレーシア各州の伝統工芸品実演コーナー/マレーシア各州代表の雑貨ブース
<B>マレーシアテキスタイル エキシビションコーナー/ASEAN各国カルチャーブース
マレーシアを代表するテキスタイルの展示や実演コーナー/ASEAN(全てではない)のテキスタイルや伝統工芸品展示コーナー/ASEANの暮らしが分かる展示コーナー
<C&D&F>フードゾーン
マレーシア各州の伝統料理/ローカルフード/ウェスタンフード/ドリンク各種など
<E>テキスタイルゾーン
マレーシア伝統のバティックやソンケッ、バジュ クルン、洋服、小物など
<フードコート>(BとEの間にあるレストランマークのあるあたり)
マレー系のローカルフードが充実。
では、途中からアルファベットの順番は前後しますが、各ブースの概要や様子を一つずつご紹介します。

会場は広く、そして各ブースやテントの入口などにはっきりとした表示が少ないので非常に迷いやすいです!地図、そしてそれぞれの場所の概要を事前によく見ておくと迷いにくいかもしれません。
【A:マレーシアのクラフトブース/伝統工芸デモンストレーション/各州ブース/ライブステージ】
まずはAの、マレーシアのクラフトブース/伝統工芸デモンストレーション/各州ブース/ライブステージ。


この建物はマレーシアの伝統工芸紹介&販売のゾーンで、日替わりで行われるライブイベントや実演コーナーもあります。一つずつ見て行きましょう。
▶マレー半島&サバ州・サラワク州の工芸品いろいろ
工芸品はマレー半島のものからボルネオ島のものまでいろいろ。カゴバッグなどの日用品からかわいいピアスやネックレスなどのアクセサリー。ボルネオパールのセラーも出ています。





かわいいネコちゃん用のカゴ。見ていたらちょうどマレー系マレーシア人のご夫婦が購入を検討に来ていました。

イスラムのモチーフやマレーシアのお土産にもよさそうな木彫りの工芸品もいろいろ。






特に女性は見始めると止まらないアクセサリーコーナーはかなり充実していました!




アクセサリーは品質の良いボルネオパールもありながら、とても良心的な価格の商品まで幅広いです。




個人的には、ハンドメイド品はもう少し高くてもいいかも...と思ってしまうくらい全体的に低価格で心配になるくらい。このOrang Asli(オラン アスリ)ハンドメイドのブックマークは一つRM2です。もっと払いたいくらいな気持ちで購入。

https://www.instagram.com/gerai.orangasal/
▶マレーシアの伝統工芸デモンストレーション
マレーシアの各州で古くから受け継がれている伝統工芸を実演コーナーで見ることができます。トラベル系のイベントでもよく見るようなものがある一方で少し珍しくあまり知る機会のないものも展示&実演されていておもしろいです。


ビーズを針で一つひとつをすくいながら正確に縫っていく様子。小さすぎて手元が見づらく、とても疲れるそうです。

バティックの実演も。ちょうど通りがかったご夫婦がやってみたいとのことでレクチャーをしてもらいながら、色をつけていました。



バティックコーナーの横にはバティックのモチーフについてかなり細分化された内容の本が5~6種類販売されています。好きな方、もっと探求したい方や仕事につなげたい方にはいい内容かも。


このブースで今回私が一番感動をしたコーナーが、この綺麗な装飾がされた鳥のトラップです。

飾り用のものとして作っているのかと思って見ていたら、本当にこれで野生の鳥を捕まえるそうです。実際にトラップの仕掛けを実演で見せてくれました。こんな美しい木彫りの装飾がついたものを鑑賞ではなく実際に使用するのかと驚いたのでした。


この右の写真に映る笑顔の女性は、このKompkeks KlafのPR担当の方。プレスツアー以外にも団体グループへの説明と案内などを一手に受けているそうです。
多くの場合英語で説明してくれているので、そのようなグループのルートにちょうど出会ったら説明を一緒に聞いてみるのも賢い回り方です。
▶マレーシアの人間国宝の技術紹介ブース
古くから伝わる技術を継承する方は年々減ってきているのはどこの国も同じで、マレーシアも然り。そんな貴重な技術を継承するいわば人間国宝のような方を招いて、一部ですが実演コーナーも見学ができます。





▶各州ブース
マレーシアの各州ブースも出店。州ごとに特徴のある工芸品が購入もできます。ブース自体は小さめですが、結構良い商品が並んでいます。






▶ライブステージ
中央には日替わりでさまざまなライブ、イベントなどが開催されています。私が訪れた日のステージは、2025年10月13日に幕を下ろした「Expo 2025 Osaka」で大注目を集めたマレーシアの伝統舞踊団「Jabatan Kebudayaan dan Kesenian Negara(JKKN)」の楽しいダンスステージが開催されていました!

JKKNはここでブース出展もしています!


マレーシアの多文化を余すところなく表現するこのダンスショー。ダンサーさんたちは次から次へと高速衣装替えをし、さまざまな民族を表現します。すごく大変そうだけれどみんなを楽しませてくれて本当に感謝です。




ちなみに当日たまたま目にしてしまったのですが、メインダンサーとして踊っていた男性はとても若い方で。ステージの前に一人片隅でフォームの最終確認をしていたり、大急ぎの衣装替えの後ステージの横で腰に巻くSampin(サンピン)の巻き直しを一緒に踊るパートナーの女性に手伝ってもらっていたり。


たまたまとはいえなんだか人間らしい光景を目にしたあとで彼のステージを見たので、非常にじーんときたのでした。
▶日替わりのイベント情報について
このライブステージそして会場内のいくつかのブースでは毎日、参加型から視聴型までさまざまなイベントも開催されています。特に土日はイベントが盛りだくさんです。
facebookやIGで日々情報が更新されたりされなかったり、という感じですが、気になる方はぜひアクセスしてみてください。facebookはこのQRコードからもアクセスできます。

会場にも毎日のイベント情報が掲載はされてたので当記事公開日以降の日付の写真を撮りましたが、全部マレー語なのでGoogle翻訳したスクショをそのまま横に載せておきます。拡大して見比べながらぜひチェックをしてみてください。直訳の変な訳も修正せずそのまま掲載していますが、時間がなかったのでご容赦ください(笑)。












【B:マレーシアテキスタイル エキシビションコーナー/ASEAN各国ブース】
このBの建物内は販売品はほとんどなく、マレーシアを代表するテキスタイルの展示や実演コーナー、少ないながらもASEANの一部の国のテキスタイルや伝統工芸品展示コーナーなどが設けられています。







では、こちらも一つずつ見て行きます。
▶ASEAN各国からの出店ブース
一応テーマはASEANのアート&クラフトということで、このエキシビションエリアにはASEAN各国の代表的な布や工芸品の展示が設けられています。実演が中心のようですが、販売も少しだけあるようです。気になる方は積極的にのぞいてみてください。









生活文化の紹介として、マレーシアを含めたASEAN各国一部の昔ながらの住居が展示されていました。



▶マレーシアの伝統的な織物文化の紹介
マレーシアの伝統織物Songket(ソンケッ)や織物生地の紹介も充実しています。バティックは比較的多く目にする一方で、ソンケッについては外国人はあまり知らない方も多いかと。この機会に実演も含めて見学してみるのもいいでしょう。



Pahang州(パハン州)の伝統的な格子柄の織物、Tenun Pahang Diraja(トゥヌン パハン ディラジャ)の展示もありました。このようなイベントでトゥヌン パハン ディラジャだけにフォーカスして展示しているのは珍しいかも。


マレーシアの工芸品でコーディネートされた寝室もありました。スタッフさんが展示の応接セットに普通に座って楽しげにおしゃべりしてたのがよかった。




▶マレーグマグッズがかわいいマレーシア政府観光局ブース
マレーシア政府観光局のブースでは、かわいいマレーグマのキャラクターがあしらわれたグッズも販売しています。



【E:マレーシアテキスタイルエリア】
今回のイベントで一番広い面積を占めるのが、このテキスタイルゾーンです。




▶バティック生地
多くのセラーが仕立て用や日常使いできるバティックの生地を販売しています。高額なものから、とてもお手頃のものまで。すべてハンドメイドで激安商品はありませんので、生地も2メートルならRM50~60程度以上のものからスタートというところ。





▶トレンガヌ州&クランタン州からの出店が多い
特に出店が多いエリアは、主にKelantan州(クランタン州)やトレンガヌ州。伝統バティックは、マレー半島ではやはり東海岸エリアが盛んです。




トレンガヌ バティックについてはこちらの記事で詳しく解説しています。購入を検討する方は少し知識を得てから商品を見るとうまく選べますので、ぜひチェックしてみてください。
クランタン バティックも非常に美しいものが多かったです。





シルクを中心とした素材のクランタン バティックのお店では4メートルでRM1,200の商品なども。あまりに綺麗だったから、買うつもりはないながらもいろいろ見せてもらいました。




▶良質なバジュ クルン&バティック シャツを探したい方におすすめ
このようなイベントには多くのバティック生地のセラーが集まるのですが、そのセラーの多くが生地と同時にバティック素材のBaju Kurung(バジュ クルン)や男性用のバティック シャツも販売しています。良質なバティックで作られた良い商品が多いのでおすすめです。


量産品ではないため、町中でよく見るような低~中価格帯の流行最先端のスタイルという感じのバジュ クルンは少なく、トラディショナルなものが主流ですが、モダンスタイルや普段着にも活用できそうなデザインも並んでいます。




https://www.instagram.com/batikbatrisyia/


バジュ クルンは量産品より高めですが、良質で長く着られるものが多く伝統スタイルも押さえたきちんとしたバジュ クルンが一着ほしいという方にはとてもおすすめです。上手に探せばRM200以下のお手頃価格のものにも出会えますので、本気で見つけたい方はこういう機会にぜひ頑張ってみてください。もちろんディスカウントをしてくれることもあります。
このようなイベントでバティックのバジュ クルンを購入したい!という方、町中のお店で量産品を探す場合とは勝手が違う点があります。事前に知っておくと上手に探せますので、ぜひこの記事の主に後半部分をお読みいただくことをおすすめします。
試着室も完備ですので必ず試着しましょう!このEエリアの真ん中あたりと比較的Aゾーン(クラフトなどのゾーン)に近いあたりに一カ所ずつあり、Aゾーンに近いほうがテーブルやハンガー掛けもあるので快適。もう一カ所は鏡がない部屋もあるなど(試着室なのに笑)で使い勝手がいまいちです。


▶小物&普段使い商品
バジュ クルン以外にも日常使いができそうなバティックのパンツ&スカートやトップス、スカーフやバッグ、ポーチなどの小物も多く売られています。






▶バティック以外の小物あれこれ
このEエリアでは、バティック以外の工芸小物も少し出店しています。おすすめのお店を少し紹介。
美しいマレー凧WAUをモチーフにしたブローチを置いていたお店。






おまけ。

【C&D&F:フードゾーンと常設フードコート】
休憩や食事ができるところは四カ所です。
▶①C:Cultural Delights Food(伝統ローカルフードエリア)
マレーシア各州おすすめの料理が食べられるエリア。サバ州のLinopot(リノポッ/葉に包まれた赤米とおかずを合わせていただく料理)やボルネオのセビーチェと言ってもいいサラワク州のUmai(ウマイ)など、マレー半島ではなかなか出会えない料理がそろっています。
イートインの席数は結構ありますが12時以降くらいはテント内に熱気がこもって暑いので、購入して別場所でいただくのもありかと。11:00くらいまでなら快適そうですが。














▶②D:Asian Fusion(アジア各国フードエリア)
一応テーマがASEANということで各国のフードをそろえたいと頑張ってはみたものの、結局はマレーシアのお店が作るなんとなくどこかの国風の料理やドリンクも少しある、みたいなエリア(笑)。








▶③F:CITARASA MALAYSIA(マレーシア&ウェスタンフードエリア)
Aゾーン(クラフトなどのゾーン)の裏という感じの奥まったエリアですが、オープンエリアに屋台が並んでいます。完全なるオープンな空間なのでここの席が一番涼しくて食べやすいかも。


揚げ物からMee Goreng(ミー ゴレン)やナシ ゴレンなどのローカルフードやウェスタンフード、デザートや冷たい飲み物も売られています。


▶④屋内の常設フードコート(地図のレストランマークの辺り)
BとEの間にあるレストランマークのあるあたり(建物Gフロア内)にNasi Campurなどのマレー系ローカルフードがいただける常設のフードコートがあります。





このフードコートは常設なのでそこそこ空調も効いています。時間帯を選べばゆっくり座って快適に食事ができるので飲み物だけこちらで購入し、ほかのフードブースで購入したものをいただくのもありでしょう。ただし、状況を見てという感じで臨機応変が吉です。
【バティックのワークショップ】
イベントの会場のKompleks Kraf Jalan Conlayには常設のバティック体験ショップがあり、このイベント開催中もバティック体験ができます。



【バティック商品のお洗濯は慎重に!】
今回のイベントで多く目にすることになるバティック。気になって購入をする方もいらっしゃるでしょうから、最後に念のためお洗濯についての注意点を書いておきます。
バティック商品を購入後、お洗濯数回は色落ちとともにほんの少しですが素材が収縮する場合もあります。特に初回はかなり色落ちをした濃い水が出ますので、手洗いをする際もビニール手袋をすると手荒れも防げます。
購入から数回は手洗いで短時間脱水。色落ちが完全に止まった後はコットンのみの素材であれば洗濯機でのお洗濯に切り替えても、収縮の点でも問題はありません。ただし、シルク混コットン素材の場合は弱水量やデリケートモードでのお洗濯、シルクであればクリーニングが安全です。
購入時にスタッフさんに確認をすると教えてくれますので、ぜひ聞いておくと良いでしょう。
【最後に】
2025年10月にKLで開催された「ASEAN Arts & Crafts Bazaar 2025(AACB)」について、個人的なおすすめ品も入れながらのレポートをお届けしました。
マレーシアの伝統工芸や文化に触れてみたい方、お買い物を楽しんでみたい方、そして良質なバティックやバジュ クルンを探したいという方にはとても楽しいイベントと言えるでしょう。
冒頭でもご紹介しているイベント「Hari Kraf Kebangsaan(HKK)」、そして今回のイベントどちらとも公式からは2026年以降の継続開催についての言及は特にない状態ですが、ここまでの規模ではないながらも今回の会場となったKompleks Kraf Jalan Conlayの公式アカウントではイベント開催前には告知があります。
今後も行ってみたいなと思う方は、ぜひ定期的にこちらのアカウントをチェックしてみてください。