皆様、こんにちは。
2019年四月にマレーシアに引っ越しをしてから三週間ほどで、ラマダン月となりました。イスラムに改宗をしてから四度目のラマダン月、そしてハムザと結婚をしてからは初めて一緒に過ごすラマダン月でした。
マレーシアで本格的に過ごした初めてのラマダン月でしたので、色々と振り返ってみたいと思います。
- 【マレーシアで過ごす初めてのラマダン月と断食】
- 【体調管理に苦しんだ初めてのフル断食】
- 【礼拝に追われる毎日に疲れ切った一カ月】
- 【ラマダン月にすべきことはとても多い!と感じた一カ月】
- 【心のバランスを保つことが一番難しかった】
- 【現実のラマダン月を知ることができた】
- 【最後に】
【マレーシアで過ごす初めてのラマダン月と断食】
東京で断食をした過去三回は仕事をしながらということもあったし、ラマダン月のほとんどの日々を一人で過ごしていたのであまり楽しいものとは思えなかった断食。
正直どうやって過ごせばいいのかもあまり分からなかったし、食品会社に勤務をしていたため仕事上食べないことが難しかったり、体調を崩してお休みすることも多くて半分もできていなかったのですが、今回はハムザが色々と助けてくれて一緒に過ごすことができたので、やっとまともに断食をすることができたかも、と思えるラマダン月となりました。
【体調管理に苦しんだ初めてのフル断食】
過ごしてみて大変だったこともいくつか。フルで断食をするのは初めてだったこともあり、自分の体調管理や心身の変化にすぐに気が付けず急に熱が出て寝込んでしまったり情緒不安定になったりしたことが数回。
特につらかったのは、情緒不安定な状態を自分でどうコントロールすればいいか分からない日が数日あったこと。ハムザに少し言ってみたけど、なんとなく同じ空間にいて私だけが「つらい、しんどい」と言うのがはばかられて(私はこういう悪い癖があるので直したい。本音をきちんと言えないとだめだよね。)、「断食を休みたい」とは言えなくなってしまって。
あまりにつらくて黙っていても涙が出てきたりして自分でもまずいなと思い、日本在住のボーンムスリムの友人に聞いてみたりしました。友人はボーンムスリムで40年近く断食を経験しているけど、毎回ラマダン月最初の一週間くらいは精神的に少し不安定になったりするのだそうです。
「自分のような長く断食を経験してる者でもそんな感じだから、ナオコさんはまだ三回目で赤ちゃんみたいなものだから。無理しないでキツい時はお休みしてください。マレーシアに引っ越して環境の変化だけでも大変だと思うし。」と言われました。
結局ラマダン月が終わってみれば、断食をお休みしたのは月経の期間だけで、あとはすべてやり遂げることができたのですが、来年以降心身がつらい時は無理しないで休むことも考えよう、と思いました。それで身体を壊したりしても良くないなと痛感しました。
【礼拝に追われる毎日に疲れ切った一カ月】
そしてもう一つ、大変だったことが礼拝です。マレーシアに引っ越しをしてからハムザと一緒に礼拝をするようになり、見様見真似でやってはいるものの、朝早く(というか私にとってはまだ夜中の域ですけど)起きて日没まで断食をし、日に礼拝を五回する、というのがもう、私にとってはいっぱいいっぱいな出来事でした。
ハムザが色々教えてくれるのですがなかなか気持ちがついていかなくて、途中心がしんどくなった時期がありました。
ボーンムスリムの人や、改宗後熱心に日々勉強をされている人からしたらきっとずいぶんとレベルの低い話だと思うのですが、マレーシアに引っ越してきて食生活や暮らしが大きく変わり、断食をフルにして、今までしていなかった日に五回の礼拝をして、ということを一気に始めてしまったのは、キャパシティの狭い私にとってはハード過ぎました。これに関しては時期を見誤ったなと後悔しました。
【ラマダン月にすべきことはとても多い!と感じた一カ月】
本当はそれ以外にも、モスクに出向いてラマダン月中の夜一時間くらいかけて行うタラウィー礼拝に参加したりとか、少しでもクルアーンの勉強をするとか、やったほうが良いことは本当にたくさんあるのですが。
タラウィー礼拝は三回ほど行ったのみであとは行きませんでした。一日断食をした夜にご飯を食べてから一時間の礼拝に行けるって、みんな体力あるなあと感心してしまう。私はもう後半は一日の中で三回目くらいの礼拝時点で体力尽きてる感じでした。
と色々あったものの、振り返ってみればある意味無理やりでもそういうモードに持っていって、イスラムのことを日々考える時間ができたことはとても良かったと思うし、ラマダン月中はそれ自体をつらいという感覚はありませんでした。
むしろ、こういう暮らしにシフトできて、そして教えてくれる人もいて、というありがたい環境に感謝をしながら過ごしていた一カ月でした。本当はもっと色々できたら良かったのかもしれないけど、、、でもこれが私には精一杯だったと感じています。
【心のバランスを保つことが一番難しかった】
傍目にはどう映るか分からないけど、ギリギリの気持ちのところで均衡を保っていた一カ月だったとは思っています。
イスラムのことをここまで色々考えたのは改宗をしてから初めてだったのと同時に、「やらなくては」という焦りのようなものに追いかけられてる感じで、幸福感と焦燥感とが一気押し寄せるなか、日々そのバランスを保ちながら過ごしていたような。
一カ月の期間、たまにそのバランスが崩れると気持ちが崩壊してしまって、いつもなら流せるハムザの何気ないひと言に噛みついたり、号泣したりしてしまったこともありました。
移住後すぐの生活を整えるためのあれこれに加えて、ラマダン月の私の世話まで一生懸命取り組んでくれていたハムザにひどい態度を取ったりして、すごく申し訳なく思いました。ハムザだって断食してて身体はしんどいのにね。とても感謝しています。
【現実のラマダン月を知ることができた】
と、初めてマレーシアでハムザと共に過ごした私のラマダン月はこんな感じでした。
よく、日本や非イスラム圏のメディアが伝えるラマダン月の話題は、「ラマダン月はラマダンバザールが楽しい!」とか「朝まで宴会!」など浮かれた感じの内容も目にするのですが、実際は結構みんな地味に過ごしていると思います。もちろん、一部の人や若くて単身で暮らしている人などはそういう派手な過ごし方をする人もいることは事実だとは思いますが。
やることが多いのに断食をするわけですから、当然動きは鈍くなります。そのため体力もあまり使いたくないから、お家で質素にご飯を済ませたりするし、一日断食をした後だと胃も小さくなっていてそんなに食べられず、食事の量も少ないです。実際私はこの一カ月で5Kg体重が落ちました。
【最後に】
ラマダン月は、楽しいというよりは神様と向き合って自分ができることを日々淡々と行う時なのだろうなとつくづく感じました。それを知ることができただけ良かったと思っています。色々気付きを得ることができた一カ月でした。