Saya Cinta Malaysia

マレーシアの文化や今昔のマレーシア旅。マレー系夫との国際結婚あれこれ。

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マレーシア・ジョホール州ムアーでいただく絶品山羊肉スープ|スパイス香るSup Kambing(スープ カンビン)の魅力

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皆様、こんにちは。

 

常夏の国マレーシア。その気候から「冷たいものや辛い料理ばかり食べているのでは?」と思われがちですが、実はあたたかいスープも日常的に親しまれています。


そんなスープ料理のなかでも、日本ではあまり見ないものとしてこちらで愛されているのが黒胡椒やスパイスでお肉を煮込んだSup Kambing(スープ カンビン)。マレー語で「Kambing」は山羊、つまり山羊肉のスープです。

 

 

マレーシアでは主にマレー系マレーシア人たちの一般的な食べ物としてどこでもいただけるメニューですが、今回はマラッカから車で約一時間、マレー半島南に位置するJohor州(ジョホール州)の町Muar(ムアー)で地元民に愛されているおいしいスープ カンビンをご紹介します。

 

 

【マレーシア夜食の定番!Sup Kambing(スープ カンビン)とは】

 

今回ご紹介する、スープ カンビン。

 

 

お店ではSoup Kambing、もしくはマレー語でSup Kambingとメニューに記載されています。

 

山羊の肉は体をあたためる効果があることから、マレーシアの人たちにとってこのスープ カンビンは主に夜食(夜ご飯というよりもさらにその後の夜食)の定番メニュー。気温が下がる夜、そして寝る前に体内をあたためるという感じでしょうか。

 

日本では一般的に食べる機会が少ない山羊の肉。マレーシアで暮らしていてもローカルと接点が薄いとなかなか見たことがない、食べたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。店、屋台を問わず夜からひっそりと売られていることが多いためか、実はおいしいのに食べ損ねている方も多いようです。

 

山羊肉は臭みがあるから苦手!と思っている方も多いと予想しますが、今回ご紹介するスープ カンビンは山羊肉が苦手な方もさらっと食べられる、くせがなくてとてもおいしいものなので、どうか最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

 

【風情ある古い町並みが魅力|ジョホール州ムアー】

 

今回ご紹介するお店があるのは、Johor州(ジョホール州)の町Muar(ムアー)。ムアーはMelaka州(ムラカ州)の中心マラッカタウンから車で一時間ほど南下した海沿いの町です。

 

 

ムアーの中心地はさほど大きくはありませんが、1900年代前半に建てられた古いショップハウスなどが今も多く残り、風情のある町並みが広がっています。


ジョホール州は現在のマレーシアの国が成り立つ以前のマラヤとしての歴史を形成するうえで非常に重要な役割を果たしていたエリアで、今もジョホール州のスルタン(王族)の発言や行動はマレーシアの政治にさまざまな影響をもたらしています。

私はマレーシアの歴史を知れば知るほど、かわいい建物がたち並ぶこのムアーの町に魅力を感じるようになり何度か訪れています。毎回数日滞在をして町歩きをしても飽きることはなく、そしてまた行きたいと思う不思議な魅力がある町だと感じています。

 

【ムアーのSup Kambing(スープ カンビン)名店「MUAR SOUP HOUSE」】

 

この小さな町ムアーの中心にあるバスターミナルからほど近いJalan Sisi(Sisi通り)沿いに、スープ専門店「MUAR SOUP HOUSE」があります。

 

 

マレーシアあるあるですが、こちらのお店はもとは一軒の店構えだったのが隣、そしてその隣が空き店舗になったら徐々に横に拡大をしていったようで。間に挟まれた一軒はまだ別のお店のようですが、いつかここもぶち抜きになる日がくるでしょうか(笑)。

 


店内そして夕方以降に外にも設置されるオープン席ともに、席数はたくさんあります。

 

 

常夏のマレーシアですが夜は結構涼しいので、外の席でも快適。外の席を好むマレーシア人も多いです。

 

 

【Sup Kambing(スープ カンビン)の注文方法】

 

▶オーダーする場所

三軒連なった店舗、そして外にまで広がるお店ということでオーダーの際に戸惑う方もいらっしゃるでしょうが、中と外のどこに座っても同じメニューがオーダーできます。席に座って待っていればそのうちスタッフがメニューを持ってきてくれますし、忙しそうで来てくれなければ呼んでみるのもいいでしょう。

 

▶スープ カンビンなどのサーブ

今回ご紹介しているスープ カンビン、そしてそのほかのお肉を煮込んだスープメニューはすべて外にあるこのストールで用意され、テーブルまで持ってきてくれます。

 

 

大きな鍋にはおいしそうなスープや、やわらかそうなお肉も。

 

 

▶付け合わせのパン(ロティ)は別オーダー

スープのみでもオーダーできますし、Roti(ロティ)と呼んでいる食パンやガーリックトーストをスープに浸しながら食べるのもマレーシアスタイル。ロティ(パン)などが必要な場合は別途オーダーをします。

 

 

▶お肉の種類

スープはお肉の種類もいろいろありますので、山羊肉が苦手な方はDaging(ダギン/牛肉)やAyam(アヤム/鶏肉)などをいただくのもいいかと。豪華版でCampur(チャンプル/お肉全部乗せ)もいいですね。

 

 

私はこちらで他のお肉メニューを食べたことはありませんが、しっかり煮込むスタイルのお店なのでどれもおいしいはずです。

 

▶コリアンダー(チャイニーズセロリ)の味が苦手な場合

スープ自体をチャイニーズセロリを使って煮込むことからもともとコリアンダー風味がほんのりとありますが、さらにサーブの際にチャイニーズセロリをのせてきます。もしコリアンダー風味が強すぎるのが苦手な場合は、オーダーの際にひと言伝えておくとかけずにサーブしてくれて少し風味弱めにいただけるかなと。

 

ちなみに私がこれまで数回訪れた際、一度だけ「コリアンダー(実際はチャイニーズセロリ)はのせてもいいか?」と聞いてくれましたが、それ以外の時は特に聞かれませんでした。基本的には聞かれないのがデフォルトのようですので、ご注意ください。

 

▶ドリンクや軽食メニュー

ドリンクやその他のRoti Canai(ロティ チャナイ)、Kaya Toast(カヤ トースト)やCendol(チェンドル)などのメニューも豊富にあり、スタッフに言えばメニューを持ってきてくれて選べます。用意する場所がそれぞれ異なるだけでオーダーはテーブルで、そして会計はレジで一括で行うしくみです。

 

【Sup Kambing(スープ カンビン)の味の決め手はとろみとスパイス】


スープ カンビンを煮込んでいるストールは屋台感あふれる簡素なものですが、その質素な見た目を大いに裏切るとてもおいしいスープ カンビンがいただけます。

 

 

ストールに置かれた鍋にはゴロゴロとした山羊のお肉が仕込まれ、隣のお鍋には煮込み終わったおいしそうなスープが並々と入っています。

 


味の肝となるスープはたまねぎやトマト、人参、ニンニクなどが入っていて、コリアンダーの風味も含むセロリのチャイニーズセロリを多く使用することで山羊肉の独特の香りを消すのかなと感じます。

 

また、クミンやシナモン、ブラックペッパーなどのスパイスとともに山羊肉をじっくり煮込んでいるため、口に運ぶとしっかりとした味わいが感じられます。

 

 

お肉は煮込んでいるうちに骨から落ちている場合が多いのでお肉自体をメインとして楽しむ感じではないのですが、お肉もやわらかく口にほおばるとほろっと骨から離れます。マレーシア人たちは骨をしゃぶってお肉をきれいに食べています。

 

 

山羊肉のスープと聞くと野性味あふれる味を想像する方もいるかもしれませんが、このお店のスープやお肉はしっかりと煮込まれ、そしてほどよいスパイスが効いていることから臭みもなく洗練された味です。

 

【体をあたためたい時におすすめの夜食】

 

冒頭でも少し触れましたが、このスープ カンビンは主に夜に食べるもの。山羊肉そのものに体をあたためる効果があることが一番の理由ですが、調理過程で山羊肉からにじみ出た脂で軽くとろみがついたこのスープは確かに体があたたまりそう。

 

 

スパイスも多く使用していることから程よい辛みも感じられ、それも相乗効果がありそうです。

 

また、山羊の肉を食べた時は喉からその脂分をきれいに流すためにあたたかい飲み物を合わせるといいそうです。いろいろな角度から見ても、夜に体をあたためて自然に眠りにつけるようにできている食べ物なのかもしれません。

 

【最後に】

 

今回は、マレーシアを訪れた人はおそらく一度は行くであろう観光地マラッカから一時間ほどで行ける町、ジョホール州ムアーでいただけるおいしいスープ カンビンをご紹介しました。

 

日本では日常的に食べることが少ない山羊肉ですが、一度食べると好きになる人も多いスープ カンビン。機会があればぜひ一度、このとろとろでスパイスが効いた絶品スープ カンビンを味わってみてください。