Saya Cinta Malaysia

マレーシアの文化や今昔のマレーシア旅。マレー系夫との国際結婚あれこれ。

MENU

ペナン島が舞台となった推理小説『マラッカの海に消えた』

皆様、こんにちは。

 

今日は、マレーシアのペナン島を舞台にした小説のご紹介です。

 

 

【著名女流推理小説作家のメジャーデビュー作品『マラッカの海に消えた』】

 

有名な推理小説作家である、故・山村美紗さんの 『マラッカの海に消えた』。最初の出版は1974年とかなり古い作品ですが、マレーシアが舞台、しかもタイトルにマラッカという言葉まで入っているということでご紹介。

 

f:id:malaysia_cinta78:20201118133551j:plain

『マラッカの海に消えた』/山村美紗著/徳間書店

 

 

山村美紗さんは1967年頃から小説執筆を開始。それからの約三年間で賞候補に挙がり始め、そしてなんと!1974年にこの『マラッカの海に消えた』で作家としてメジャーデビューを果たしたのだそうです!マレーシア好きとしてはなんだか嬉しい事実。


私がこの作品を初めて読んだのは、記憶を辿ると多分1998年くらい。その後、マレーシアに関する本の収集を始めてからこの文庫本が我が家にやって来たのは、2008年くらいだったと記憶しています。推理小説の女王が書かれただけあって、読みやすくて面白いです。

 

【小説の舞台はマラッカではなくペナン島

 

「マラッカ」とタイトルに入っているので舞台はMalacca(マラッカ)なのかと思いきや、マラッカはマラッカ海峡を意味し、舞台はPenang島(ペナン島)です。

 

 

なんとなく気持ちは分かる気がしますね。ペナン島も歴史ある地域ではありますが、地名から来る響きとかエキゾチック感はマラッカの方が良いように感じます。特に日本ではマラッカ海峡もよく知られていますので、タイトルとしてのキャッチ力はマラッカの方が高いですよね。

 

山村美紗さんがどの程度現地取材をして執筆されたのかは分からないのですが、ペナン島の描写はマレーシアの雰囲気がとても出ており、書かれてから40年以上が経過しているにも関わらずペナン島の雰囲気は違和感を感じずに読むことができます。

 

【昔ならではの描写が今読むと新鮮!】

 

旧い作品ということで色々今とは違う感覚ややり取りも描かれているので、昔のマレーシアや世界の感覚はこんなだったのだなあと楽しみながら読むのもまたいいように感じます。

 

作品の中で旦那さんが奥さんに毎週一通手紙を書くという設定があるのですが、これも時代を感じる描写ですよね。今じゃメールやアプリで毎日、一日中だってやり取りできるし、電話だってネット回線でできる。そういう時代を知ってしまうと、昔は離れて暮らすって(特に外国で)大変だったろうなと感じます。

 

ただ、作品中で登場人物が接触をするマレーシア人達の描写があるのですが、イスラムの文化について触れていたりして、そこは時代が変わっても変化はなく。信仰に纏わることは時代が流れても変化することは少ないのだな、と感じながら読んでいました。

 

【最後に】

 

このような旧い作品を目にすること、最近はなかなか減ってしまっているかもしれませんが、日本にいながらにしてマレーシアやペナン島の昔にタイムスリップできるような作品ですので、ぜひ機会があれば読んでみてください。