皆様、こんにちは。
マレーシアは全人口の約67%がイスラムを信仰するマレー系マレーシア人で構成されているため、町の至る所にイスラム教徒が礼拝をするための「モスク」があります。
今日はそのモスクの中でも、マレーシア国内最大規模である国立モスク「Masjid Negara」をご紹介します。
- 【2021年3月現在、異教徒は立ち入れない国立モスクを写真でじっくりご紹介!】
- 【マレーシア独立建国後に建設された国内最大規模の国立モスク】
- 【KLの中心地で電車と徒歩で訪れることができる!】
- 【噴水に囲まれた幾何学模様を施した美しい建物】
- 【開放感に溢れた内部はイスラム教徒が集う憩いの場】
- 【色とりどりのステンドグラスが美しい荘厳な礼拝所内部】
- 【タイルや彫刻が美しい!礼拝所内の様々なこだわり】
- 【見学時間内でも礼拝をする人に出会うことも!】
- 【最後に】
【2021年3月現在、異教徒は立ち入れない国立モスクを写真でじっくりご紹介!】
最初に。2021年3月現在、マレーシアでは新型ウィルス感染予防政策のため、マレーシア全国のモスクが内部見学を行えなくなっています。現在モスク内部に入ることができるのは、礼拝を行う目的でのイスラム教徒のみ。したがって、外国人や異教徒によるモスク内部への入場はできず、これまで観光目的で入場可能だった、このMasjid Negaraも同様に内部への入場はできません。
せっかくマレーシア、そして首都であるKL(クアラ ルンプール)で暮らしているのに、こんな素敵なモスクの内部の見学ができないなんて、という方も実は多いのではないかと思います。
今日は、そんな皆さんに少しでもこのモスクの素晴らしさをお伝えできたらいいなと思い、写真を多めに中の様子をご紹介します。
【マレーシア独立建国後に建設された国内最大規模の国立モスク】
マレーシアの首都であるKLのまさに中心地にそびえ立つこのモスク。マレー語で「Masjid Negara」(マスジッド ヌガラ)、英語名は「National Mosque」(ナショナル モスク)の名称となります。
建設は1965年。1963年に現在のマレーシアとして建国がされた後に建設をされたことから、独立の象徴のひとつと語られることも多いです。
【KLの中心地で電車と徒歩で訪れることができる!】
さて、そのMasjid Negara。どこにあってどうやって行くの?ということで簡単にご紹介。なんとこのモスク、電車と徒歩であっという間にたどり着けてしまうアクセス抜群なモスクです。
KLの中心を走る電車LRT、Kelana Jaya線(クラナ ジャヤ線)でチャイナタウンを訪れる際に下車をするPasar Seni駅(パサール スニ駅)に降り立つと、ホーム上からこの景色を見ることができます。
POSの看板がある建物は郵便局。その奥に見える十六画形の水色の屋根と、そびえ立つミナレットと呼ばれる塔が、Masjid Negaraです。
この駅から連絡橋を渡って高速をまたぎ、8分程度歩くと到着!車が走る道を横断することもなくたどり着けますので、とても安全かつ便利です。
【噴水に囲まれた幾何学模様を施した美しい建物】
こちらが正面玄関。
モスクの建物全体はイスラム建築の特徴とも言える幾何学文様が施され、噴水の水辺に囲まれてとても開放的な造りとなっています。
ネコちゃんも歩いていて、のんびりとした時間が流れています。
イスラムでは一日に五回礼拝をすることが義務であるため、その時刻を刻んでいる時計です。
礼拝の時間以外にもイスラム教徒が知るべき時刻も同じく並んでいるため、時計が多めです。
本来であれば、内部見学をする際はこの入場可能な時間内に、こちらの受付で服装規程に則ったスタイルにするためのローブ(足や手の肌の露出を隠す)やヒジャブ(女性が髪を隠す)をレンタルし、モスク内に入場をします。
【開放感に溢れた内部はイスラム教徒が集う憩いの場】
建物内部は、礼拝を行うための礼拝所にたどり着くまでの空間も天井が高く、幻想的な造りとなっています。
南国ならではの吹き抜けの造りということもあり、常に広い廊下に風が流れていて気持ちの良い空間です。
モスクというと多くの方は「イスラム教徒が礼拝をするために行く場所」という認識を持っているかもしれませんが、実はモスクはそれだけを目的とした場所ではありません。礼拝をする以外の信仰を深める様々な行為を行う場所でもあり、たとえばイスラムの経典であるクルアーンを読誦したり、集まった人達でお互いの信仰の悩みを語ったりもします。
さらには、もっとリラックスして友達とおしゃべりをしたり、次の礼拝までお昼寝をして過ごす人もいます。
このMasid Negaraでもあちこちの片隅で何人かで集まって思い思いに過ごしている様子を見ることもできます。みんな、何を話しているのかな。
【色とりどりのステンドグラスが美しい荘厳な礼拝所内部】
広い廊下をずっと進んだ先に、やっと礼拝を行う礼拝所が見えてきます。
礼拝は男女別々の空間で行うため、入口がそれぞれに分かれています。
ここからは異教徒の方は入場できませんが、入口となるドア前までは行けますので、そこから美しい礼拝所内部を眺めたり写真撮影を行うこともできます。
内部は天井が高く、その天井から側面に沿って色とりどりの美しいステンドグラスが施されています。
金色のライトも等間隔で設置されていて、その金色とブルーを基調とした窓ガラスの装飾のバランスがとても美しいです。
このドア付近には、見学者への対応やモスクやイスラムについての簡単な説明をしてくださる案内スタッフさんが常駐しています。
日本語のパンフレットも置いていますので、イスラムについて興味を抱いている方は資料として持ち帰ることもできます。
【タイルや彫刻が美しい!礼拝所内の様々なこだわり】
このMasjid Negaraに限らず、イスラム建築物は幾何学文様が特徴となる美しい装飾が施された壁や天井を目にすることができます。
このMasjid Negaraの礼拝所内部は、壁には青色を基調とした可愛らしいタイル、そして白い天井にはこのような美しい彫刻での紋様が刻まれています。
床にも一面、サーモンピンクとベージュを基調とした絨毯が敷き詰められていてとても可愛らしいです。
(白い衣服は私が礼拝をする際に着ていた礼拝着です。)
【見学時間内でも礼拝をする人に出会うことも!】
基本的に異教徒がこのMasjid Negaraを見学できる時間というのは、本来はイスラム教徒が礼拝を行わない時間帯で設定がされています。
ただ、時にはその礼拝時間外にモスクを訪れて礼拝を行う人もいるため、礼拝所内を見学している際に、たまたま礼拝をしている人を目にすることもあるかもしれません。
このMasjid Negaraでは、後ろ側から礼拝所内部を見学するスタイルとなるため、もし礼拝をしている人に遭遇した場合はその礼拝姿を後ろから眺めることができます。
普段は目にする機会の少ない礼拝の様子ですのでもし興味があればそのまま見学をしていても全く問題はありませんが、その際は見学可能時間内とは言え礼拝をする場に足を踏み入れているということを忘れず、静かに邪魔にならないようにそっと見学をするようにしましょう。
【最後に】
KLのど真ん中に鎮座するモスク、Masjid Negaraをご紹介しましたが、モスクの中の荘厳で素敵な雰囲気は、やはり自分で足を踏み入れて感じていただくことが一番だと思っています。
今回の記事で少しでもこのMasjid Negaraに興味を持った方がいらっしゃいましたら、ぜひモスク内の見学ができるようになった際に訪れていただけたら嬉しく思います。