皆様、こんにちは。
マレーシアで暮らし始めた方や遊びに来る方から、「マレーシアの民族衣装Baju Kurung(バジュ クルン)を買ってみたいけど、どこへ行けばいいのか、どうやって選べばいいのか分からない。」と質問をされることがあります。
確かに、普段マレー系マレーシア人と接することがないとどうやって選べばいいのか、さらにはどうやって着こなせばいいのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回はバジュ クルン着用歴15年を超える私が、初めてバジュ クルンを買いに行く方に向けたポイントをご紹介します。
- 【マレーシアの民族衣装バジュ クルンとは】
- 【バジュ クルンの基本は長袖&マキシ丈スカート】
- 【細かい決まりはあまりなし!デザインはいろいろ】
- 【初心者さんも安心してバジュ クルンが買えるところ】
- 【バジュ クルンの価格】
- 【バジュ クルン購入はいつがおすすめ?】
- 【最後に】
【マレーシアの民族衣装バジュ クルンとは】
まず、そもそもバジュ クルンはどんな衣装?という方へ簡単な解説を。バジュ クルンは主にマレー系マレーシア人女性達がまとう民族衣装で、普段着から晴れの場までさまざまなシーンで目にする衣装です。
過去に、バジュ クルンについて綴っている記事を二記事UPしています。少し古い記事で、当時の私の好きなものを載せた完全なる自分の好みを紹介するのみの内容ですが、お読みいただければ少し概要を掴むことができるかと。
【バジュ クルンの基本は長袖&マキシ丈スカート】
バジュ クルンを着るマレー系マレーシア人の女性は、基本的にイスラムを信仰しています。そのため、イスラムの訓えに則って肌の露出は控えめで長袖もしくはせいぜい八分袖程度&マキシ丈のロングスカート、というデザインがほとんどです。
基本的には胸元は布で覆われたデザイン。丸首やVネック、ハイネックやボートネックなど首周りのデザインに決まりはありませんが、ヒジャブを巻く女性は開いている部分をヒジャブで覆いますし、巻かない女性は首や胸元の肌を見せてそのまま着ています。どちらの着方も問題ありません。
【細かい決まりはあまりなし!デザインはいろいろ】
バジュ クルンの定義ですが、長袖とロングスカート、胸元は隠し気味のデザイン以外に何かあるのかと言うと正直特に決まりはありません。
柄や無地、カラーについても決まりはなく、デザインも上身頃の丈も長いものもあればお尻や腰の位置あたりの短いものまであります。町で見かけたバジュ クルンの写真を数枚ご紹介しますが、この数枚だけでもさまざまなデザインやカラーがあることがお分かりいただけるでしょう。
細かい話をすると、その上身頃の丈やカッティングなどでどこの州や地域のバジュ クルンといった区分けもあるのですが、初心者の方はそこまで知らなくても常識的なお買い物ができますのでご安心ください。
【初心者さんも安心してバジュ クルンが買えるところ】
どこに行けば買えるか?ですが。かなりざっくりな説明をすると、マレー系マレーシア人が多く集うエリアに行けば必ずお店はあり、購入ができます。
とは言え、そういうエリアがどこにあるのか分からないという方も多いかと。そこでKL(クアラ ルンプール)とSelangor州(スランゴル州)で初心者さんが買うならここ、というエリアをいくつかご紹介します。
▶KL(クアラ ルンプール):Masjid Jamek駅(マスジッド ジャメ駅)からSOGOまでのエリア
LRTのAmpang線(アンパン線)/Kelana Jaya線(クラナ ジャヤ線)のMasjid Jamek駅(マスジッド ジャメ駅)からAmpang線(アンパン線)のひとつ次のBandaraya駅(バンダラヤ駅)目の前にあるデパートSOGOまでのエリアにイスラムのためのお店が多く並んでいます。(両カ所とも地図を参照)
高級仕様から手軽な普段着用のお店、そして激安店まで並び種類も豊富です。
たくさんあり過ぎて逆に目移りして決められないことが難点ですが、何店舗か見て様子が分かったら予算や用途に合わせてお店を絞って探してみるのが良いですね。
このエリアで私が開催している「JJCBK-民族衣装Baju Kurung(バジュ クルン)お買い物プチツアー」の様子をレポートにまとめています。記事内で、実際にツアーで訪れた初心者さんにもおすすめのバジュ クルン店を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▶KL(クアラ ルンプール):KWC Fashion Wholesale
※通称:Kenanga Mall(クナンガ モール)
KLの中心を走る電車LRTのAmpang線(アンパン線)/KL Monorail線(モノレール線)のHang Tuah駅(ハン トゥア駅)下車後、徒歩10分程度のところにあるファッション専門モール「KWC Fashion Wholesale」、通称「Kenanga Mall」(クナンガ モール)とも呼ばれます。
ビル丸ごとが男女の民族衣装や女性が身につけるヒジャブ、そしてジーンズやTシャツといった普段着まで勢ぞろいしている主にローカル向けのファッションモールです。
フロアごとにある程度アイテムは分けられ、バジュ クルンのフロアは、そこも隣もその隣もぜーんぶバジュ クルンです。
お店がたくさんあるので迷いまくること間違いなしですが(笑)、ビルなので冷房完備、そしてぐるっと周ってもいつかは壁があって確実に一周できます。
初心者さんで優柔不断の自覚がある方にはマスジッド ジャメよりもおすすめかもしれないです(笑)。
▶Selangor州(スランゴル州):Bangi Sentral(バンギ セントラル)エリア
KL中心からは離れますが、KLから車で40~50分程度南下したマレー タウンBangi(バンギ)にある、モダン マレーなバジュ クルンショップが多く立ち並ぶエリア、バンギ セントラルもオススメです。
若い女性や、どちらかというと若干所得の高いマレー系をターゲットとした、流行最先端デザインのバジュ クルンが多く売られるショップが軒を連ねています。質も良いものが多く売られているので、わが家ではハリ ラヤなど晴れの日用のバジュ クルンはこちらで買うこともあります。
このエリアはバジュ クルンのお店が多く並んでいますが、いくつかお店を見てみると、「ここは若い人向け」とか「ここはダークカラーがコンセプトの店」など、だいたい商品の傾向が分かります。
先ほど「若干所得の高いマレー系をターゲット」と書きましたが、平均して価格が上がる傾向はあるものの、RM100以下の商品を集めた店舗やセール品も多くあるなど、案外お得に買えるお店も多いです。一度さらっと周り、その後は好みのお店に絞って探してみるといいでしょう。
▶イオンやモール内ショップや期間限定店舗
ここまでは商品の量や試着室の完備などの点も含めた、初心者さんにおすすめできるバジュ クルンお買い物スポットとして、三つのエリアをご紹介しました。
それ以外にも、在住者の方なら必ず訪れるイオンやショッピングモールにもバジュ クルンショップはあります。数は少ないながらも店舗を構えていたり、時折通路エリアでポップアップストアが登場することも。
これらの店舗でのお買い物は正直、初心者さんにはいろいろな点でハードルが上がるのであまりおすすめはしませんが、どうしてもすぐに買う必要がある!という時などの選択肢としてはいいのではないでしょうか。
ただし外国人や非マレー系居住者が多いエリアのショッピングモールの場合、バジュ クルンショップは少ない、もしくは皆無ということもありますのでご注意ください。
【バジュ クルンの価格】
バジュ クルンは一着いくらくらいですか?というご質問もよくいただきますが、これは安いものから高いものまでいろいろです。
私の場合ですが、たとえば結婚式にご招待いただいて着ていくバジュ クルンはだいたいRM200~RM300程度のもの。お友達などとちょっと良いお店で食事会という時などはRM100以上程度のもの、近所に夫とお茶をしに行くという気軽なお出かけの時はRM60くらいで買ったものも着る(高いものを着ることもあります笑)、という感じ。
後編の記事内で素材などの詳しい記載はしますが、価格は素材やビーズなどの装飾品によっても大きく変わりますし、縫製が丁寧なものや量産品ではないものももちろん価格が上がります。上を見ればきりはなく、政治家や著名人などはもちろん一着RM1,000を超えるものなどを着ますが、一般の私たちのような女性であればだいたいRM100からRM300くらいまでが相場。RM300を超えるものを新調する場合は特別なイベントなど、目的があることが多いです。
初めて買う方は価格の判断が難しい反面、私のように日常着として着るわけではなく特別な日のものとして買うという場合も多いでしょう。そのため、一着RM100以上はかかるものと考え、あとは試着やご自分の好みに条件が合致していたら予算は少し多めに幅を持たせて気に入る一着を買うことがおすすめです。10着20着とたくさん買いたい!と言う方は話が別ですが、多くの日本人の方の場合は数着買うことがほとんどでしょうから、物によってはRM150~RM200程度も見ておくと良いお買い物ができるかと。
【バジュ クルン購入はいつがおすすめ?】
バジュ クルン購入に最適な時期はいつなのか?バジュ クルンはマレー系の人たちにとっては普段着でもあり、年中行われる結婚式やイベントなどでも着用するため基本的にはいつでも購入できます。特に、先ほどのお買い物おすすめエリアで挙げたところであれば一年中たくさんの商品が並んでいますのでご安心ください。
▶一年で最もバジュ クルンが売れるイスラムのラマダン月
とは言え、特に種類が豊富でお買い得となるシーズンがあります。それはイスラムのラマダン月がスタートするあたりからHari Raya(ハリ ラヤ)を迎えるまでの間です。
なぜその時期が最適なのかと言うと。イスラムのラマダン月は一年の中でとても大切な時期。そしてそのラマダン月が明けたことを祝う祝祭Hari Raya(ハリ ラヤ)はマレーシアのイスラム教徒達にとって一番重要な日なのです。
このハリ ラヤには家族が一同に集い、新しい服をまとってお祝いの食事をいただいたり親戚への挨拶周りをする習慣があります。そのハリ ラヤ用のバジュ クルンを新調するための消費が最も活発化するのがラマダン月中なのです。
どのお店も、この時期にたくさんの売り上げを稼ぐために在庫を充実させプロモーション価格での販売も激化。一年の売り上げのほとんどをこの時期に稼ぐお店も少なくありません。そのためラマダン月中は週末はもちろん、夜もバジュ クルンショップはかなりな混雑ぶりです。
先ほどご紹介したようなバジュ クルンが多く売られているエリア以外でも、この時期はモールで普段は空きスペースとなっている場所にたくさんのショップを誘致します。
カラフルなバジュ クルンショップが所狭しと並び選び放題ですし、値引きにも積極的に応じてくれます。
▶ラマダン月のバジュ クルン購入は戦い
ただしひとつ注意点ですが、この時期イスラムの方達のバジュ クルン購入は相当な熱気と混雑ぶりです。初心者さんで着慣れていない&着たことがない、しかも言葉の壁もあったりするとうまく商品選びができない、という懸念も。
個人的にはこの時期にあえて初心者さんが突撃することはおすすめしません。ですが、どうしても行きたい!という場合は混雑を避けられる午前中を目指し、試着室も待ち時間を最小限にできる試着室が多い店舗を選択しましょう。路面のテントなどでも商品を並べる即席店舗もたくさん出現しますが、試着の面でおすすめはしません。
また、ハリ ラヤ直前の2~3日は一日中どの時間帯であっても混雑は必須ですのでできれば避けるのが吉です。言葉の面や交渉、試着室の争奪戦などすべてにおいて勝てる自信のある方のみ突撃してみてください(笑)。
ということで、どうしても盛り上がった雰囲気の中でお買い物をしたいという方はぜひ体験していただくことも楽しいと思いますが、この時期は避けて落ち着いてお買い物ができる平時(笑)にゆっくりと選ぶほうが、満足できる一着を購入できるのはないかと個人的には思います。
▶ハリラヤ初日から数日は店舗は休み
なお、ラマダン月はお買い物時期としておすすめではありますが、イスラムの断食が終わりラマダン月が明けた翌日からのハリ ラヤは皆実家に帰ったり家族で出かけたりなどするため、基本的にはバジュ クルンを売るお店は数日から一週間程度お休みになります。
時折、イスラムのイベント事情を知らない日本人の方がハリ ラヤ初日にバジュ クルン専門店に出かけたら閉まっていた!という話を聞きますのでご注意ください。なお、イオンのようなショッピングモール内でしたらハリ ラヤでも買えるお店は営業していることもありますので、どうしても用立てたいという方はそのあたりを目指すといいでしょう。
【最後に】
マレーシアで初めてバジュ クルンを購入する方が押さえておきたいポイント、まずは購入にあたっての場所や時期などの基本情報をご紹介しました。
後編ではデザインや実際に購入する際に気を付けておきたいポイントなどをご紹介します。どうぞお楽しみに。