皆様、こんにちは。
マレー半島の東海岸に位置するKelantan州(クランタン州)、Terengganu州(トレンガヌ州)、そしてPahang州(パハン州)では、KL(クアラ ルンプール)を始めとした西海岸ではなかなか食べる機会の少ない、お米と共に食べる珍しい料理が色々とあります。
以前ご紹介した青いご飯でいただくNasi Kerabu(ナシ クラブ)もそのひとつ。
- 【トレンガヌ州の郷土料理ナシ ダガン】
- 【ナシ ダガンの名前の意味は?】
- 【お米の炊き方と魚煮込みの味の決め手はココナッツミルク!】
- 【お魚が美味しい海沿いの町ならではのシンプル贅沢ご飯】
- 【早めの時間がオススメ!KLでナシ ダガンを食べるならここ】
- 【最後に】
【トレンガヌ州の郷土料理ナシ ダガン】
そして今日ご紹介するご飯は主にトレンガヌ州で食べられている、お魚と一緒にいただくご飯Nasi Dagang(ナシ ダガン)です。
色々とご説明をする前に、まずはナシ ダガンの全貌をご紹介。これがそのナシ ダガンです。
白米の上に魚のカレーをかけているといった見た目ですが、カレーではありません。ココナッツが効いた味で食感的にもさらっとしたスープをかけている感じです。
さっぱりとした味もあってか主に朝ご飯からお昼あたりまで食べられるご飯ですので、トレンガヌ州を訪れたらぜひ一度は早起きをして食べていただきたいです。
【ナシ ダガンの名前の意味は?】
まずナシ ダガンの名前の説明ですが、Nasi(ナシ)はご飯、そしてDagang(ダガン)はマレー語で貿易を意味します。貿易?とあれこれ考えてしまいますが。
このナシ ダガン、もともとは海側に面したトレンガヌ州の漁師達が、写真のようにお米と魚をバナナの葉に包み、漁の際に朝ご飯のお弁当として持って行くようになったのが始まりだそうです。
持ち運んで船の上や漁場で手軽に食べることから、行き来とも解釈できる貿易を意味するマレー語がそのまま料理名についたのかな、などと想像しています。
これはあくまで個人的な解釈も含まれますので、もし真実をご存知の方がいらしたら教えていただきたいです。
【お米の炊き方と魚煮込みの味の決め手はココナッツミルク!】
さて、ではそのお味はというと。
まずお米ですが、ただの白米ではなくマレーシアの糯米と長米をミックスしたものにココナッツミルクやレモングラスなどのスパイスを調合して蒸したスチームライスです。そのため食感は少しもちっとしていて、そして若干の塩気を感じる味わいです。
そして具となるお魚はこちらです。
カレーのようにも見えますがカレー粉は使っておらず、ココナッツミルクやウコンを使った、いわゆるマレーシアスタイルのココナッツ煮込みのようなスープです。
ただ、そこまでココナッツミルクの味わいが強いことはなく、アクセントとなる程度の軽い味わいに仕上げます。日本の煮魚より少し塩気と汁気の多い感じと思ってもらえるといいかもしれません。
お米も魚も、ココナッツミルクを使用して味をつけることであっさりしすぎない味わいに仕上がっています。
【お魚が美味しい海沿いの町ならではのシンプル贅沢ご飯】
お魚はマグロかサワラがメインで、ご飯の上に魚の煮込みを乗せるのみ。
時折口直しにいただくピクルスが唯一のおかずという、とてもシンプルなひと皿。
ちなみに、牛肉バージョンのナシ ダガンも売られていることがあり食べてみましたが、やはりお魚の方が美味しいというのが個人的な感想です。
トレンガヌ州で獲れる美味しいお魚を使うことで、そこまであれこれ調理に手を加えずとも美味しく手軽なご飯が出来上がってしまうという、本当にシンプルな郷土料理と言えるでしょう。
【早めの時間がオススメ!KLでナシ ダガンを食べるならここ】
このナシ ダガン、トレンガヌ州を訪れれば朝からお昼あたりであればそこかしこで食べることができます。レストランや食堂はもちろんのこと、屋台や道端などでもこのようにバナナの葉に包まれた可愛らしいスタイルで売られています。
お魚の新鮮度が肝とも言えるので、できれば本場であるトレンガヌ州の海沿いの町でいただければベストですが、そこまでは行けないなという方もいらっしゃるかと。
もしKLで食べてみたいということであれば、Kampung Baru(カンポン バル)にあるこちらのお店「Kak Som」がオススメです。
クランタン州やトレンガヌ州出身のマレー系の方も好んで訪れるお店で、本場の味のナシ ダガンがいただけます。
先にも述べた通り、ナシ ダガンは基本的に朝ご飯がメインのお料理。そのため、こちらのお店でもだいたいAM10時~11時には売り切れてしまうことが多いのでご注意ください。
また、KL周辺やその近郊の町でもトレンガヌ州や東海岸出身の方が営むお店や屋台ではわりと売られていることもあります。注意深く観察してみると意外なお店で出会えたりするかもしれませんので、ぜひ探してみてください。
【最後に】
今回ご紹介をしたナシ ダガン。実はトレンガヌ州のお隣クランタン州でもいただくことはできるのですが、驚くことにお米のカラーが違う全く雰囲気の変わるお料理となります。知らずに頼んだらオーダー間違えたかな?と思うくらい違うひと皿が出てきますので、ご注意ください。
そのクランタン州のナシ ダガンについては、また別の機会にじっくりとご紹介したいと思っています!