
皆様、こんにちは。
マレーシアの旅で楽しいことのひとつが朝ご飯!マレーシアでは朝から皆さんもりもりと食べるため、朝ご飯のお店もとても充実しています。
そこで今回、Pahang州(パハン州)の町Kuantan(クアンタン)で見つけたとてもおいしく、そしてちょっと変わったRoti Canai(ロティ チャナイ)をご紹介します。
- 【朝ご飯の定番ロティ チャナイ】
- 【ブルーモスク前!人気ロティ チャナイ店「RESTORAN PERMAI MAJU」】
- 【ロティのアレンジメニュー満載】
- 【人気No.1メニュー「Roti Gulung Duda Terhangat TSUNAMI」】
- 【ひと皿で何度も味変を楽しむ】
- 【TSUNAMIという言葉を使うマレーシア人の思考】
- 【最後に】
【朝ご飯の定番ロティ チャナイ】
まず、ロティ チャナイってどんな料理?という方は、こちらの記事をぜひご覧ください。
マレーシアでは朝ご飯としてNasi Lemak(ナシ ルマッ)と並ぶ定番メニューです。
このロティ チャナイ、独創性が豊かなマレーシア人たちによってさまざまな進化バージョンが誕生しています。私はここ数年、普段は行かない町に行った時にはその地で人気となっているちょっと珍しいロティ チャナイを見つけてみる、なんてことが旅での楽しみになりつつあります。
【ブルーモスク前!人気ロティ チャナイ店「RESTORAN PERMAI MAJU」】
今回訪れたお店は「RESTORAN PERMAI MAJU」。

クアンタンの町の中心に鎮座する美しいブルーモスクの真ん前にあるお店です。

【ロティのアレンジメニュー満載】
オーソドックスなプレーンのロティ チャナイや定番メニューのナシ ルマッもありますが、特に人気のメニューがこのあたりだそうで。

Murtabak(ムルタバ)スタイルにアレンジしたものや、チーズをたっぷりと挟み込んだものなど、他のお店ではあまりお目にかからないメニューが並んでいます。

【人気No.1メニュー「Roti Gulung Duda Terhangat TSUNAMI」】
せっかく訪れたわけですし、旅先でのご飯との出会いは一期一会(笑)だと思っていますので、スタッフさんにおすすめを聞いてみました。
人気No.1メニューは「Roti Gulung Duda Terhangat TSUNAMI」(ロティ デュダ トゥルハンガッ ツナミ)とのこと。(マレー語ができないと舌をかみそう!笑)

ふむふむ…ロティ チャナイなのにRM9.5RMとかRM12RM!高級ロティ チャナイですなあ。
これはまんまとお店の戦略に乗らされている感が否めませんが、いやでもおいしそうですしせっかくの旅先ですので…と、それ!いってみます!!とオーダーしました。…何となくチェダーチーズを選んで少しお安くはなりました。
【ひと皿で何度も味変を楽しむ】
さて、これがそのロティ デュダ トゥルハンガッ ツナミです。(名前、ほんと長いなあ)

ロティ チャナイの生地の中にチェダーチーズ、そして刻んだDaun Saderi(チャイニーズ セロリ)が適量挟み込まれて一緒に焼かれています。それを輪切りにして並べた上からたっぷりと辛みのあるグレービーをかけ、半熟卵も豪華二個乗せ!
もちろんロティ チャナイには欠かせない、辛みを調整するためのサンバルソースも添えられています。ビジュアル的にもとても食欲をそそるひと皿です。
ロティ チャナイそのものの生地は外側がサクサクパリパリ。口に含むともちっとしていて、おそらくロティ チャナイ単体として食べてもかなりおいしいのではないかと。
チーズがたっぷりと練り込まれているので結構濃い味わいなのですが、チャイニーズセロリがなかなか良い仕事をしていて、ほんのり香るハーブの味がアクセントになり飽きずに食べ進められます。

たっぷりとかけられたグレービーにロティ チャナイを浸したり、半熟卵を絡めながらいただいたりと、ひと皿のなかでいろいろな味わいが楽しめて、何度も「おおっ!おいしい!」とお得感がある感じ。
チーズがたっぷり入っているので、重くて食べきれないかな?と最初は思っていましたが、味にいくつもバリエーションを持たせることができるので、案外余裕で食べきってしまいました!満腹にはなりましたけど(笑)。小食の方はシェアでいただくのがおすすめです。
【TSUNAMIという言葉を使うマレーシア人の思考】
このメニュー名である、Roti Gulung Duda Terhangat TSUNAMI(ロティ デュダ トゥルハンガッ ツナミ)、ずいぶんと長い名前だし、マレー語が分からない人にはなんのことやらって感じでしょうが、日本人として着目したいのはやはりTSUNAMIという単語ではないでしょうか。
TSUNAMIは日本人なら誰もが知る、あの津波です。2004年に起きたスマトラ沖地震ではマレーシアでも小さいながら津波の被害に見舞われていますし、2011年の東日本大震災はマレーシア人たちの間でももちろん広く知られ、彼らにも津波がどういうものかという認識はあります。怖いものであるという認識があることはもちろんなのですが、同時に違う現象として、マレーシアではこの言葉をそのまま使った店名や商品名をわりと目にします。
日本人である私にとって津波は恐怖の対象であり、完全なる心穏やかな状態でその言葉を聞いたり口にすることは正直難しいのですが、マレーシアの人たちは日本人が津波に対して抱く感情とは少し違った感じで、ネガティブな意味合い以外でもこの言葉を捉えたり日常使いすることがあるようです。
TSUNAMIは波が押し寄せるという雰囲気をイメージするような、汁気が多めでひたひたになっている感じの料理名に使われていたりするのを目にしますし、海沿いの町にあるお店の名前に使われていることもあったり。
日本人の感情としては、津波によって人命が失われている現実も考慮するとこのような命名の仕方はすんなりとは受け入れ難いこともあるかもしれませんが、お国が変わればその捉え方も変わる、ということを如実に表していると言えるでしょう。
もちろんそこには津波による本当の恐怖や悲しみを味わった方がほとんどいないから、という点もあるでしょうが、それも含めて、マレーシアに限らず世界は広く、その広い世界に暮らす人の思考や物の捉え方はさまざまなのだなと改めて感じています。
また余談として付け加えると、このお店のメニューにあるマレー語のBanjirという単語は洪水という意味で使われる言葉で、これも同じくスープや汁気が多めなアレンジ料理で使われているのを目にします。
【最後に】
クアンタンの「RESTORAN PERMAI MAJU」で見つけた、ちょっと珍しくておいしい濃厚ロティ チャナイ。
このロティ チャナイが美味しかったのはもちろんのこと、いわゆるご当地ロティ チャナイと言ってもいいのかなという感じのメニュー満載でしたので、また訪れて他のメニューもトライしてみたいお店です。